Windowsは基本的にあらゆる操作をキーボードで行えるようになっていますが、キーボードでの操作はあまり知られていません。例えばコントロールパネルを開く操作を例にとると、一般的なやり方は、 スタートボタンをクリックすることはWindowsキーを押すのと同じですし、設定(S)の括弧内に書かれたSの文字をキーボードで押せば、そこにマウスを移動するのも同じ動作をしますし、その後クリックするのもENTERを押すのも同じ結果になります。 マウスにはマウスなりのメリットがあり、キーボードにはキーボードなりのメリットがあります。そこで、その場に適した方を使うのがよいのですが、初めて使うソフトなどはマウス操作が向いていて、慣れたソフトを使う時はショートカットなどを暗記してキーボードで操作するのが向いています。 最初に挙げたコントロールパネルを開く操作を例にしましょう。キーボードとマウスの操作を、それぞれ2秒以内を目標に実行してみて下さい。どちらが簡単でしょうか?数回やってみれば、キーボードの方が速く操作できることがわかると思います。 次に、同じ操作を正確に繰り返し実行してみて下さい。キーボードでは何度でも正確に実行できるのに対し、マウスの方がミスしやすい上に、神経も腕も疲労するのがわかると思います。 # キーボード操作を鍛えれば、頭の中で「コンパネ開こう」と意識した瞬間に指が動き、0.5秒後には指が3ストローク叩き終わって画面にコントロールパネルが表示される・・・ということが可能なのです。 さらに、キーボードだとタッチタイプができるというメリットがあります。タッチタイプのメリットとは速く打つことだけではありません。姿勢を変えずに打つことで低疲労性が得られますし、眼が疲れた時には、ちょっとディスプレイから視線をそらして眼を休めながら操作を続ける、ということもできます。それに対しマウスでの操作は、ディスプレイを凝視し続ける必要があるため眼が疲れやすく、微妙なコントロールを長く行うと腕や肩が疲れやすい、というデメリットがあるのです。 こうしたことからキーボードでの操作には、速い・正確・疲れないと3拍子揃ったメリットがあるため、慣れている環境で慣れた操作をするのであれば、キーボード中心で操作を行い、マウスは必要最低限にしか使わない、というのが理に叶った使い方だと思います。 さらに、キーボード中心の操作に慣れてくると、マウスをほとんど使わないですみます。これなら、マウスを置くスペースは狭くても問題ありません。また、ノートパソコンなどを使う時、タッチパッドの操作がマウスに比べて不便だと感じてしまうものですが、普段からマウスの使用頻度が少なければ、タッチパッドのストレスもほとんど感じないですむのです。 ファイル(F)とか、編集(E)とか、ヘルプ(H)のように、メニューにアルファベットがぶらさがっている場合、ALTキーの組み合わせで、そのメニューをクリックしたのと同じ動作となります。さらに、{コピー(C) Ctrl+C}のようにショートカットコマンドがぶら下がっている場合も同様です。 アプリケーション上のボタンやテキストボックスなどはたいがい、{TAB,SHIFT+TAB},{←,→}や{↑,↓}のいずれかで移動ができるようになっています。CTRLやALTの併用で異なる動作が用意されたアプリケーションもあります。コンボボックスの↑や↓やALT+↓をはじめ、あちこちで使えるテクニックです。 {HOME,END}で行頭・行末、または、先頭・最後へ移動。CTRLキーを併用すると異なる動作が用意されたアプリケーションもあります。{PgUp,PgDn}は1画面移動するのでホイール機能の代わりになったり、漢字変換の候補リストのスクロールなどでも有効です。 アルファベットや数字(つまり半角文字)から始まる選択肢に対しては、入力したキーで検索&ジャンプが行われます。例えば、エクスプローラでc:\windows\tempを選ぶ時に、フレームの左側でCドライブを選択した後、→,W,→,T、と打ち込むのです(環境によってはWやTを複数回押す必要があります)。素早く打ちさえすれば、2文字以上でも合致する文字列の対象へジャンプします。数字を使ったジャンプは、ウィンドウ(W)といったメニューや漢字変換の候補リストで選択する時などに使えてとても便利です。 ボタンにフォーカスが当たった状態やメニューが選択された状態では、スペースやENTERが選択や実行の動作となり、ESCでキャンセルとなります。チェックボックスもスペースで選択・解除が可能となっています。 基本テクニックを組み合わせれば応用テクニックです(^^)。Windowsの標準的な動作の流れを見極めて、上の基礎テクニックを組み合わせれば、たいていの操作をストレスなく行えるようになるでしょう。組み合わせかたは使用者のアイデア次第ですが、厳選テクニックのページにあるコンビネーション技などを参考にして、独自のテクニックを開発してみて下さい。 ここまでは、他人のパソコンでも共用しているパソコンでもどこでも使えるように、汎用的なテクニックを紹介してきましたが、自分が好きにカスタマイズできるパソコンでは以下のような環境構築が役立ちます。カスタムを行うことで劇的に操作が快適になる面があります、が、カスタムは複雑すぎないのが良いというポリシーもあるので、ここではユーティリティやレジストリの編集に頼らないテクニックに限定して紹介します。 インストール直後の状態はあまり使い勝手がよくないので、いらないのを消して必要なものを追加します。私の場合、"notepad"や"wordpad"やバイナリエディタへのショートカットを置き、ファイルのサイズや種類や用途によって開くエディタを使い分ける、といった使い方をしています。また、フォルダのショートカットを置いてファイルを送るのに使う場合、SHIFTの併用でファイルを移動し、CTRLの併用でショートカットを送り先に作成する動作となります。 これも(1)とだいたい同じなのですが、削除はせず追加のみを行うことが肝心です。最初からある”プログラム”以下を変更したり削除すると他の人にはひどく使いにくいマシンになってしまうからです(本人も再インストール直後に苦労するでしょう)。そこで、”スタートメニュー”フォルダの下に新たにフォルダを追加し、プログラム(P)の上の位置に追加したフォルダが表示されるようにして、追加したフォルダ(複数追加・階層化も可)によく使うショートカットをほうり込むのがいいと思います。 # ミスタイプでWindows,Nを押すとサスペンド機能を呼び出してしまうこともあるので注意しよう。 ファイル選択の際、先頭の文字を押してジャンプ(&実行)できるように、ファイル名は半角からはじめるのがよいです。先頭1文字だけなく、先頭にキーとなる文字を作るというテクニックもあります。例えばファイル名が日付命名式ならば、・・・,"0809Mo.txt","0810Tu.txt","0811We.txt"・・・となっているので、後でそのフォルダに行ってから0810と打てば"0810Tu.txt"にジャンプするわけです。 # 越年した時は、越年した後で"1999"というフォルダを作ってそこに移動してしまえば、重複によりトラブルを防げます。 また、SendToフォルダやスタートアップメニューで作るフォルダでは、リストを表示してから1回の押下で実行できるよう、ショートカット名を半角から始まるように改名するのがよいです。先頭の半角文字が同じものが2つ以上あって1回の押下では実行できない場合や、全角の名前を使いたい場合は、先頭の文字をもう一度押すなどして移動したり、↑でリストの最下部に移動するとか↑↓で調整するという工夫が必要になります。 よく使う操作はより少ないキー操作で実行できないか、見直してみましょう。例えば、お気に入りのWEBページを開きたい時に、IEを起動してホームに設定されたページが表示されてから、お気に入りを開いて別のページに行く、なんてやってたら無駄が多いので、お気に入り("Favorites"フォルダ)にあるショートカットのうちよく使うもの(巡回コースなど)をどっかにコピーしておいて、そのショートカットを直接実行した方が、操作が少なく通信時間の節約にもなります。 マウスを使わないとその分キーボードは酷使することになるので、キーボードの環境整備は重要です。ノートパソコンや小型キーボードでは、CTRLの位置にFNキーがあったり右Windowsキーがなかったりなど、下段のキー配列が普通の109キーボードと異なるので、そうしたキーボードをメインで使う人は、同じ配列のキーボードをデスクトップ環境でも使うなどして環境を統一した方がいいです。キーを押し間違えて操作をやり直したりすると、速さ・正確さのメリットが失われてしまうので、キー配列を統一して確実にタッチタイプで操作することはとても大切です。 以下はWindows95,98,NTでたいがい通用するショートカットの紹介です。暗記するよりも、元となる基本テクニックを理解するのに役立てて下さい。環境によっては若干のカスタムが必要な場合もあるので、その場合は適宜読み替えて下さるようお願いします。また、ショートカットの定義はアプリケーションによって異なるので、全てのアプリケーションで通用するわけではありませんし、場合によっては想定外の動作を引き起こす可能性がある(常駐ソフトなどが出すメッセージボックスが入力を横取りするなど)ということも留意して下さい。 ・アルファベットのキーは大文字で書いてありますが、大文字小文字の区別はありません。逆にSHIFTを押したりすると動作が変わることもあるので、明記されていなければSHIFTは押さないで下さい。 下はWindowsキーがない場合、↑はマシンによっては複数回押す必要がある。NTの場合は矢印を押す回数が多くなるので、CTRL+ESC,P,W・・・とした方が早い。 切り替えたいアプリケーションに合うまでTABを繰り返し押してALTを離す。SHIFTの併用で逆順切り替え 「保存しますか?」というダイアログが出るとわかっているなら、さらにENTERを追加すれば保存して終了となる。あるいは、 Sはたいてい省略できるが、万一再起動したりすると時間のロスが大きいので、念を入れてチェックし直している。 注)WindowsXPではWindows+U,U(2回目のUを押すと即実行なので、ENTERを押す前に目視確認する癖がついている人は要注意) 最後のENTERをSHIFT+ENTERにすると、BIOSのチェックがスキップされるので再起動時間が短くなる。 注)WindowsXPではWindows+U,R(Rを押すと即実行なので、ENTERを押す前に目視確認する癖がついている人は要注意) SHIFT+アプリケーションキーで「アプリケーションから開く(E)」がメニューに追加される(アプリケーションへ関連付けられた拡張子のファイルの場合)。 最後のENTERの前は素早く"NOTEPAD"と打ち込めばいいのだが、2文字打てばNOTEPADが選択されるでしょうから、残りは省略してENTERを押しましょう。なお、アプリケーションとの関連付けを登録したくない場合は、最後のENTERの前にALT+U。 ちなみに、ワードパッドなら"WORDPAD"、マイクロソフトのワードなら"WINWORD"、ペイントブラシなら"MSPAINT"。他のアプリケーションも同様。 ワードパッドならwordpad、ペイントならmspaintでOK。カスタムしていないと起動操作が複雑なので、この方が優れています。 マウスを使わずにキーボードで操作することにはこだわらず、操作量・処理量そのものを減らすためのテクニックです。 スタートボタンを右クリックしてエクスプローラを選択する方法だと、スタートメニューフォルダが選ばれてしまいます。 Windows+Break、または、マイコンピュータのアイコンを右クリックしてプロパティを選択、または、ALT+マイコンピュータアイコンをダブルクリック デスクトップからネットワークコンピュータのプロパティを開くネットワークコンピュータアイコンを右クリックしてプロパティを選択、または、ALT+ネットワークコンピュータアイコンをダブルクリック SHIFTを押している必要があるのは、CD-ROMがドライブに収まりアクセスランプが光る前後の数秒のタイミング IME95とIME97のショートカットの一部です。オンラインヘルプのまんまですが、使いこなしている人が少ないのでここで紹介します。 # ヘルプをキーボードだけで見るには、ファイル名を指定して実行でc:\windows\help\msime95.hlpを打つとか、コンパネのキーボードの設定から言語タブを選んでプロパティを開いてヘルプを起動・・・なんて方法しかないです、困ったものです。 # IME2000は未調査、IME98は日本語入力モードでCTRL+F10,H,ENTERでヘルプを起動できる、下表のショートカットとは一部異なる部分もあるようです。
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